分電盤とは?役割や構成、選び方のポイントを解説!

分電盤とは(1024×341)

電力会社から受電し、引き込まれた電線から安全に住宅、工場、病院、オフィス等に電気を供給する設備が「分電盤」です。この記事では、分電盤の役割や構成、選び方のポイントを解説します。

分電盤とは

電力会社から供給される電気は、電力量計を通って住宅に入り、分電盤内の「契約ブレーカー(リミッター)」を通過して「漏電遮断器(主幹ブレーカ)」に流れます。

漏電遮断器は常に漏電がないか見張り、もし漏電が発生すると回路を遮断して感電事故や火災事故を防止します。漏電遮断器を通過した電力は「配線用遮断器(分岐ブレーカー)」に流れて、各部屋のコンセントに供給されます。

分電盤の構成

電力会社から供給される電気は、電力量計を経由して住宅内に引き込まれ、分電盤内の「契約ブレーカー(リミッター)」を通過し、「漏電遮断器(主幹ブレーカ)」に流れます。

漏電遮断器は、常に漏電している箇所がないかを見張っており、漏電が発生すると回路を遮断して感電事故や火災事故等の発生を防止します。

漏電遮断器を経由した電力は「配線用遮断器(分岐ブレーカー)」に流れて、住宅内のそれぞれの部屋のコンセントに供給されます。

分電盤の構成
①契約ブレーカー(リミッター)

契約以上の電気が流れると自動的に電気が止まる仕組みになっています。「アンペアブレーカー」「サービスブレーカー」とも呼ばれます。契約電流は、15,20,30,40,50,60Aがあり、北海道、東北、東京、中部、北陸、九州電力管内では、電力会社と使用する電流を契約する方式を採用しています。

②漏電遮断器(主幹ブレーカー)

使用される最大の電気容量に応じた定格電流のブレーカーです。配線や電気器具の漏電を素早く感知し、自動的に電気を切ります。

住宅用の主幹ブレーカーでは、サーキットブレーカーではなく、「漏電ブレーカー」が使用されます。

③配線用遮断器(分岐ブレーカー)

電気器具やコードの故障でショートした時や使い過ぎで過電流が流れた場合に電気を自動的に遮断します。

台所・居間などのコンセント回路・照明回路、エアコン、IHクッキングヒーター用コンセントなどの専用回路として部屋・用途別に細かく分けて使用するために取り付けられるブレーカーです。

分電盤の選定ポイント

分電盤の選定方法は、各種基本機能に加えて、「HEM対応・非対応」で行います。

分電盤の選定ポイント

①リミッタースペースの有無

「リミッター(アンペアブレーカ)契約」が必要な地域では、リミッタースペース付き分電盤を選択する必要があります。北海道・東北地方で契約容量が6kVA以下の場合は、リミッタースペースが必要です。一方、東京・中部・北陸・関西・中国・四国・九州・沖縄地方では、リミッタースペースは不要ですが、東京・中部・北陸地方で契約容量が6kVA以上の場合は、最寄りの電力会社の支店に相談する必要があります。

②相線式は、「単相3線式」or「単相2線式」のどちらにするか

「単相3線式」とは、3本の電線のうち真ん中の中性線と上下の電圧線を使うと100ボルト、中性線以外の上下の電圧線を使うと200ボルトが使えます。「単相2線式」は、電圧線と中性線の2本の線を使うため、最大で100ボルトしか使えません。単相3線式が現在の一般的な相線式です。

③主幹ブレーカの種類と容量

ご家庭の電気の使い方に応じて住まい全体の電気容量(主幹ブレーカの容量)を決めます。

なお、住宅用の主幹ブレーカは原則として漏電ブレーカーになります。

主幹ブレーカの種類と容量
出展:ブレーカー・分電盤:住宅分電盤の選定

④分岐ブレーカーの種類と回路数

分岐回路数は、お部屋のコンセントや照明スイッチなどの「標準負荷分岐数」と、エアコンやIHクックングヒーターなどの「専用負荷分岐数」の合計プラスアルファが目安になります。一般的に分岐ブレーカーには、サーキットブレーカー(MCB)が使用されます。

分岐ブレーカーの種類と回路数
出展:ブレーカー・分電盤:住宅分電盤の選定

⑤フリースペース有 or 無

木板付きスペースには、深夜電力用のブレーカーや送り用のブレーカー、タイムスイッチ、開閉器など、目的に応じて様々な機器を取り付けることができます。

⑥HEMS対応 or非対応

「HEMS(ヘムス)」とは、Home Energy Management Service(ホーム・ エネルギー・マネジメント・システム)の略。家庭内で使用している電気機器の使用量や稼働状況をモニター画面などで「見える化」し、電気の使用状況を把握することで、消費者が自らエネルギーを管理できるシステムのことを指します。HEMSを導入するには、HEMSと分電盤を接続させる「HEMS対応分電盤」の設置が必要になります。

まとめ

今回は、家庭用に特化した「住宅分電盤」について解説してきました。ただ、一口に「住宅分電盤」と言っても、多種多様なニーズに対応するため、その種類やラインナップは非常に幅広いものになっています。この記事を参考に、設置する環境や用途に合った最適な分電盤を選んでいただければと思います。

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